2020年から小学教育においてプログラミングが必須科目となりました。
そのような背景から、プログラミングは学んでおくべきスキルとして多くの方が認識しているかと思います。また、将来にはエンジニアとして働くのも視野に入れている人もいると思います。
しかしながら、200種類以上あると言われているプログラミング言語。
実際にプログラミングを学ぼうとしても、その中から1つを選ぶには迷ってしまう人も多いと思います。
そこで本記事では、2021年最新版の初心者におすすめのプログラミング言語ランキングTOP10を紹介します。
これからプログラミング学習をしようと考えている方は、ぜひ参考にして下さい。
初心者が学ぶべきプログラミング言語の選択基準
初めてプログラミングを学ぶ場合、最初にどの言語から学ぶかはとても重要です。
なぜなら、言語によってできることも違いますし、難易度も変わってきます。
例えば、何かWEBサービスを作りたいのか、人工知能に関することなのか、なにをしたいかによって選択すべき言語は変わってきます。
その他にも、プログラミング言語の求人数・教材の質、数など、さまざまな観点から考慮して選ぶ必要があります。
プログラミング言語のランキングを作成するにあたって、初心者が学ぶべきプログラミング言語ランキングの判断基準を設定します。
以下で1つずつ見ていきましょう。
学習のしやすさ
プログラミング初心者にとって、学習しやすいかどうかはとても重要です。
なぜなら、初めから習得難易度の高いプログラミング言語を選んでしまい、挫折してしまう人が多くいるからです。
すぐに覚えられる簡単な言語などはありませんが、学習しやすい言語とそうでない言語とで難易度は大きく変わります。
例えば、書いたコードがすぐに実行できて結果がわかりやすいスクリプト言語と、ソースコードをコンピューターが実行できる形式にしてから実行するコンパイラ言語では入門のしやすさが違います。
学びやすさでいうと、書いたコードがすぐに実行できて結果に現れるスクリプト言語がいいかもしれません。
案件が豊富かどうか
求人や開発案件が豊富な言語は、世の中に必要とされているとも言い換えられます。
つまり、世の中に求められる言語を習得しておけば、就職や転職の際に選べる選択肢が多くなるます。
せっかく学習して習得した言語でも、需要がなければ働くことさえできません。
プログラミングを学びたいと考えている人の中には、エンジニアへの就職を考えている人もいるでしょう。
また、転職を視野に入れていなくても「フリーランスや副業としてプログラミングでお金を稼いでみたい」という人も増えています。
そのような転職や副業を考えている人向けに、案件の豊富さもランキングでは重視しています。
応用しやすいか
選んだ言語が応用しやすいかどうかも大切な判断基準となります。
1つの言語でWebサービス・Webアプリ・スマホアプリ・AI(人工知能)を利用したサービス開発など、さまざまな用途に向いている汎用性の高いプログラミング言語もあります。
基本的に、プログラミング言語はスキルが高くなれば、同じような動作をするプログラムを作ることが可能。
ただし、中にはPHPのようにサーバーサイドに用途が限定される言語もあるのです。
初心者の方でも作りたいものがはっきりしている人であれば、目的に沿った開発ができる言語を選択すればよいでしょう。
ですが、まだプログラミング言語を使って作りたいものがはっきりとしていない人であれば、汎用性が高い応用しやすい言語を選ぶのは1つの基準となるでしょう。
初心者におすすめのプログラミング言語ランキング
初心者におすすめのプログラミング言語ランキングを紹介します。
- 1位:Python
- 2位:JavaScript
- 3位:Ruby
- 4位:Java
- 5位:Swift
- 6位:Go
- 7位:C#
- 8位:TypeScript
- 9位:PHP
- 10位:Kotlin
- 番外編:なでしこ
1位:Python
1位はGoogleの三大言語の1つであるPythonです。
日本での求人数に関してはまだそこまで多くはありませんが、ランキングの基準に設けた「学習のしやすさ」「応用しやすいか」「トレンドかどうか」にマッチしているスクリプト言語。
機械学習やデータ分析に用いられることが多く、世界的に人気が高まっています。その他にも業務効率化などの幅広い用途にも使えることも魅力。
2018年にビズリーチが発表した「プログラミング言語別平均年収ランキング」では約575万円として3位の言語となっています。
Pythonでできること
Pythonは、最近では有名なAI(人工知能)の開発やIoTの分野で使われることの多い言語です。
他にもPythonでできる範囲は幅広く、以下のような場合に使えます。
・AI/機械学習
・Webアプリケーション開発
・デスクトップアプリケーション開発
・IoTのシステム開発
・統計やデータ分析
など、汎用性の高い言語として人気となっています。
AIも学びたいけど、Webアプリケーションを作りたいと考えている人にもおすすめの言語とも言えるでしょう。
Pythonの学習難易度
Pythonはスクリプト言語であり少ないコード量で動作し、文法もやさしいため、初心者の方でも始めやすい言語です。
また、ライブラリが豊富なため、とても効率的な開発ができます。
2位:Javascript
JavaScriptはWebサイトやWebアプリケーション開発の際によく使われるスクリプト言語です。
HTML/CSSと一緒にWebページ作成には欠かせないと言語といっても過言ではないため、案件数も多くあります。
JavaScriptでできること
JavaScriptはフロントエンドで動作するプログラミング言語です。
しかしながら、フレームワークであるNode.jsなどを使えば、サーバーサイドの開発もできます。
できることの一例としては以下の通りです。
・Webページに動的な要素をつける
・Webアプリケーション開発
・ゲーム開発
・スマホアプリ開発
など、JavaScriptもPython同様、汎用性の高い言語として人気です。
JavaScriptの学習難易度
開発環境を整える必要がなくブラウザとテキストエディタがあれば実践的なことができるため、始めるハードルが低いです。
また、すぐにテストができるため動きがわかりやすく、初心者にもおすすめな言語と言えるでしょう。
Googleは、プログラミング初心者向けに「Grasshopper」という学習アプリをリリースしています。このようなサービスを利用すると、楽しみながらプログラミングの学習が進められるでしょう。
3位:Ruby
Rubyは日本人のまつもとひろゆき氏によって開発されたスクリプト言語です。
現在海外での人気は下降気味にはなっていますが、日本ではまだまだ求人数が多く人気のある言語として君臨しています。
「Ruby on Rails」というフレームワークを使うことで開発効率が良く、スタートアップ企業で特に使われることの多いスクリプト言語です。
Rubyでできること
Rubyの用途で最も多いとされるのはWebアプリケーションの開発です。
世界的にも有名な「Twitter」や、国内最大級の料理レシピサイト「クックパッド」などはRubyで作られました。
できることの一例としては以下のようなものです。
・Webアプリケーション開発
・APIの作成
・スマホアプリ開発
・スクレイピング
Rubyも幅広い開発ができるのですが、機械学習分野などではまだツールや資料などが充実していないため、今はまだ難しいと言われています。
スピード感を持ってWebアプリケーション作りを行いたい方にRubyはおすすめです。
Rubyの学習難易度
文法がわかりやすい・少ないコード数で書ける・日本語の参考資料が多いなど、初心者とってはとても始めやすい言語と言えます。
初めからWebエンジニアを目指している人にピッタリのプログラミング言語です。
4位:Java
JavaはPythonと同じくGoogleの三大言語の1つ。日本で見る求人数では長年トップの座をキープしている人気のあるコンパイラ言語。
大規模な業務システムを導入している企業などは、Javaで開発していることが多いです。
また、Androidアプリの開発もJavaで行います。
コンパイラ言語なので、入門の難易度は少し高め。学習コストもかかります。ただし、スキルが身に付けば、求人も豊富なので転職しやすいでしょう。
Javaでできること
Javaは、ソフトウェアを開発する環境とそれを実行する環境が違っていても動作する、高い汎用性を持った言語です。
できることの一例としては以下のようなものです。
・業務系システム開発
・Webアプリケーション開発
・Androidアプリ開発
・デスクトップアプリケーション開発
・組み込み系システム開発
・IoTのシステム開発
上記のようにJavaは開発できるものの範囲がとても広い言語と言えるでしょう。
特に安定性が求められる大規模な業務系システムの開発ではよくJavaが使われています。
Androidアプリの開発に目的を絞っている人には、10位で紹介しているKotlinもおすすめです。
Javaの学習難易度
Javaはコンパイラ言語であり、初心者が学習するにあたっては少し難しい言語です。学習コストがかかってしまうのは否めません。
ですが、Javaを習得することで高いプログラミングのスキルを身につけられます。
また、情報が充実しており学習する環境は整っているため、勉強のしやすさはあるでしょう。
5位:Swift
Swiftは2014年にAppleが発表した、iPhoneやiPadなどのApple製品向けの開発が行えるプログラミング言語。
求人数としてはまだ少ない状況ではありますが、新しいイノベーションを起こし続けているApple製品に使われる言語なので、今後更に増えていくと予想されています。
Swiftでできること
Swiftは先述したようにAppleの製品向けに使われる言語。
iPhoneやiPadの他にも、Apple watchやApple TVアプリを作る際にも使用されています。
できることの一例としては以下のようなものです。
・Apple社製品のアプリ開発
・Webアプリケーション開発
・Webサーバー作成
Swiftでは上記で記載したように、Webアプリケーションの開発もできるようになりました。
できることとしては少ないSwiftですが、もしかするとこれからのWeb開発がSwift中心になっていくという可能性も考えられるでしょう。
Swiftの学習難易度
Swiftは読みやすく書きやすい言語です。
そのため難易度としては低めなのですが、なにぶん新しい言語なので、まだそこまで情報が充実していないのも事実です。
年月が経つにつれて難易度がどんどん下がっていくことも考えられます。その結果、初心者でも習得しやすい言語として認識される日がくる予想もできるでしょう。
また、Swiftを学習する際には、エディタ・デバッガ・GUIデザイナーといった機能が搭載されているIDE(統合開発環境)のXcodeを利用しましょう。
XcodeのPlaygroundを利用すると学習も行いやすいです。
6位:Go
6位に選んだGo言語は、Googleが開発したプログラミング言語。安定性の高さと記述のしやすさから世界的に人気が広まりつつあるコンパイラ言語です。
Go言語はコンパイラ言語ですが、記述がとてもシンプルに行えることが特徴。
そのため、Javaなどの他のコンパイラ言語と比べるととても始めやすいです。
求人数こそまだ今の時点では少ないですが、ビズリーチの「プログラミング言語別年収ランキング」によると、600万円で1位を獲得しています。
今後の需要の拡大が期待できる将来性の高い言語と言えるでしょう。
Goでできること
Go言語はおもにWebサーバーやアプリケーション開発の際によく使われている言語です。
できることの一例としては以下のようなものです。
・Webサーバーの構築
・アプリケーション開発
・コマンドラインインターフェース(CLI)ツールの作成
・PaaS
幅広くできることが多いGo言語は、マルチプラットフォーム向けのWebアプリケーションも作れます。
また借りてきたサーバー上でシステムの開発やメンテナンスが自由にできるPaaS(Platform as a Service)を作る際にも用いられています。
Goの学習難易度
Goは記述がわかりやすいといった特徴があり、概念そのものを理解するのが難しいとされているオブジェクト指向ではないことから、初心者でも学びやすいと言えます。
比較的新しい言語ですが、ドットインストールなどの学習サイトでも学べるので、始めやすさもあります。
ただし、RubyやJavaScriptよりは少し難易度が高いと位置づけられるでしょう。
7位:C#
C#はマイクロソフトが開発したオブジェクト指向のコンパイラ言語。C言語がベースとなっています。
Windows向けのアプリケーションだけでなく、ゲームやVRの開発に使われていることもあり、求人数は豊富です。
高いシェアを誇るゲーム統合開発環境「Unity」でもC#を利用します。
Googleの「Stadia」、Appleの「Apple Arcade」など、定額制ゲームサービスも始まり、ゲーム業界はますます盛り上がると予想されます。
それに伴い、C#も安定した需要が期待できるでしょう。C#は、ゲーム作りにチャレンジしたい人におすすめの言語です。
C#でできること
C#でできることとして、おもに以下が挙げられます。
・Webアプリケーション開発
・デスクトップアプリケーション開発
・スマホアプリ開発
・VR・MR開発
・ゲーム開発
C#を習得できれば、上記のように幅広い分野に対応できます。
ゲームを作る際は、ゲーム開発のプラットフォームである「Unity」が有名であり、そのUnityで作るゲームの細部にまでこだわるためにC#言語が使われます。
また、そのUnityを用いればVRの開発も可能。
ゲームの開発やVR市場に興味のある人はC#を学習することが近道となるでしょう。
C#の学習難易度
C#はC言語がベースとなっているため、習得する難易度は少し高め。
ですが、インターネット上で読める参考記事は豊富なので、学ぶ環境といった点では他の学習しやすい言語と比べても遜色はないでしょう。
8位:TypeScript
相互運用が可能なJavaScriptのスーパーセットとして知られるTypeScript。
マイクロソフトによって開発され、Google社内でも標準言語として選ばれているため、今後の期待値が高い言語と言えるでしょう。
TypeScriptでできること
TypeScriptでできることは基本的にJavaScriptと同じ。フロントサイドとサーバーサイドのどちらでも開発が可能です。
プログラム実行までエラーが起こるかどうかわからない動的型付け言語のJavaScriptと比べて、TypeScriptは静的型付け言語なのでエラーを未然に防げる言語となっています。
TypeScriptの学習難易度
TypeScriptはJavaScriptよりも短くて読みやすいコードが特徴。しかし、構造が難しかったり、日本語で学習できる教材が少ないためハードルは高め。
ただし、需要の増加と共に日本語でわかりやすい教材は出て来ると思われるので、この先が期待される言語です。
9位:PHP
PHPはサーバーサイドのWeb開発に特化したスクリプト言語です。求人数はJavaに次いで2位となっており、まだまだ需要のある言語と言えるでしょう。
記述がわかりやすく、初心者向けの言語として人気が高いです。
そんな人気のあるPHPですが記述しやすい反面、コードに間違いがあっても動いてしまう場合も。
後々予期してないエラーが現れてしまうこともあるので、正しいコードを書く意識を常に持っておくべき言語です。
また、サーバーサイドに限定されるため、汎用性も低め。それでも、求人数の多さ・資料の豊富さ・学びやすさといった点から十分におすすめできるプログラミング言語です。
PHPでできること
PHPでできることとしては、おもにWebアプリケーションの開発です。
他にはWebサイトの中のお問合せフォームを導入したり、ログイン機能を作成したり、Webサイトの一部をシステム化することができます。
ブログやWebメディア向けの定番のCMS(コンテンツマネジメントシステム)であるWordPress。
W3Techsによると、WordPressは全世界のWebサイトの1/3を作っているとあります。
そのWordpressはPHPで開発されています。このことからもPHPが使えるエンジニアの需要の高さが伺えるでしょう。
PHPの学習難易度
PHPはネット上に情報が豊富にある上、スクリプト言語ということもあり、初心者の方でも学習しやすい言語です。
10位:Kotlin
Kotlinは、Googleが発表したAndroidでも公式に認められている言語となっています。
Androidアプリの開発ができる言語の核として、これから需要を伸ばしていくと考えられています。
またJavaとの相互利用もできるように考えられているプログラミング言語でもあります。
Javaに比べると求人数はまだまだ少ないですが、上記の通り将来が楽しみな言語と言えるでしょう。
Kotlinでできること
KotlinではAndroidアプリの開発やWebアプリの開発ができます。
AndroidアプリはJavaで開発することが多かったのですが、Kotlinの需要が増えてきたため、今ではYahoo!やLINEといった大企業もKotlinを使った開発を行っています。
Webアプリも開発できるため、Androidアプリの開発とWebアプリの開発のどちらともをしたいと考えている人には、おすすめの言語と言えるでしょう。
Kotlinの学習難易度
KotlinはJavaを踏襲しており、参考となる教材や情報がまだ少ないため、学習難易度は少し高めなプログラミング言語です。
ですがJavaよりも短いコードで書けるため、その分少しハードルは下がると言えるでしょう。
初心者におすすめのプログラミング言語まとめ
プログラミング言語ランキング10位まで紹介してきました。
初心者の方が学ぼうと思った時の参考になれば幸いです。
とはいえ、もしあなたがエンジニアを目指しているのであれば、複数の言語を学ぶ必要があるかもしれません。
最初に学び始める言語で全てが決まるわけでもないので、まずは勉強をしてみるのが大事だと思います。
HTML/CSSからスタートするのもありですね。
独学が難しいと感じた方はプログラミングスクールもたくさんあります。
独学するもよし、スクールに通うのもよし、先輩から教えてもらうもよしです。
色々調べてみて自分に合う環境を見つけてください。